この記事はThe Gospel Coalitionの以下の記事を許可を得て翻訳、転載したものです。https://www.thegospelcoalition.org/article/encouragement-church-planting-wives/.
4年前、私と夫はノースカロライナ州グリーンビルで教会開拓を始めました。その頃私たちは、これからどのように神様が働いてくださるかという希望で目を輝かせていました。そのうちに神様が私たちの街と教会開拓だけでなく、私たちの家庭と心にも働いてくださったので、もっと知恵に満ちた見方ができるようになりました。教会開拓者の妻として私は、数え切れないほどの挑戦と成長を経験しましたが、私の目には今でもあの時と同じ喜びと期待が溢れていると思っています。
それには、私たちの母教会とつながりのある新しい教会を通して知り合った開拓者の妻たちとの関係が大きく影響しています。何度も宣教の働きを共にした彼女たちの深い知恵の泉から学ぶ中で、素晴らしい友情を築くことができました。でも誰もが私と同じようなサポートが得られるわけではないので、新しく開拓し始めた開拓者の妻へのアドバイスを彼女たちに聞いてみました。以下に4つの励ましを挙げます。
1. 教会開拓は想像していたのとは違うかも。でも神はあなたをそのために備えてくださった。
教会開拓は、成長する初期段階に独自のニーズがあります。神学校時代、私は学んでいたギリシャ語とヘブル語が将来もっと活用できるといいなと笑いながら話したものです(実際は皆無)。では教会開拓でほぼ必ず必要なものは何でしょうか? トイレを掃除する人です。
既存の教会ほど人がいないため、コーヒーなどの備品を購入したり、子どものための塗り絵を印刷したり、ゴミを捨てたりする人が必要です。教会開拓では人数も、運営するスタッフも、既存の多くの教会に比べてはるかに少ないのですが、だからと言って、週ごとの設営、撤去、清掃、印刷、事務作業などが軽減されるわけではありません。
また教会開拓の働きは私たちが期待していたものとは違うかもしれませんが、神様がそのために私たちに整えてきてくださったことはわかります。私はこれまで何度もエペソ人への手紙2章10節が言われていることが本当だと身にしみて経験してきました。「実に、私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行いに歩むように、その良い行いをあらかじめ備えてくださいました」
例えば神学校卒業後、私は(正直言って当時は不満でしたが)不動産管理の仕事をしていました。でもその時に身についた契約書の読み方は、私たちが最初に教会開拓のための賃貸スペースを確保する上で役立ちました。次の事務職ではコミュニケーション能力を磨き、ボランティアを励ますためのスキルを身につけました。1年間だけ働いたマーケティングの仕事で、教会のソーシャルメディアページを運営するスキルを学びました。神様は教会開拓の働きのために、私たちを唯一無二の形で整えてくださるのです。
2. 奉仕することはたくさんあるけれど、教会の必要を全て満たすことがあなたの責任ではない。
牧師の妻としては、どの必要も満たすのが自分の責任だと感じることがあるかもしれませんが、それは違います。教会開拓のどの分野で自分が奉仕するかは、祈り求めましょう。主があなたを導かれる場所で働き、そこにエネルギーを注げるよう、主にお願いしましょう。神様があなたに与えられた特性や霊的な賜物を考え、聖霊に聞き、夫と話し合い、そして喜びながら、その働きに取り組みましょう。
押し寄せてくる仕事を次々と何も考えずに引き受けると、教会で誰に仕えているのかを見失ってしまうかもしれません。人の要求や期待に答えるために引き受けたり、ミニストリーに難しさを感じるようになると、私たちは不満や恨みを抱きやすく、その働きは長続きしません。しかし、神様の呼びかけに答えようと引き受けたものなら、難しいと感じる時でも、私たちは心を開き、神様に向かって近づき、弱さを告白し、私たちがミニストリーを続けるのに必要な恵みを求めることができます。
神様に目を向け、神様がご自身のことばに忠実な方だと信頼する限り、そのための奉仕は長期的に持続可能です。「あなたがたを召された方は真実ですから、そのようにしてくださいます」(1テサロニケ5:24)。
3. 文化を創造すること、それは教会においても結婚においても不可欠です。
教会開拓者は、教会文化を確立するという任務を負っています。考えなければならないことは山ほどあります。例えば、新来者をどう迎え入れるか? 子どもたちへの奉仕はどのようなものにするか? 礼拝の雰囲気や環境は(カジュアル、フォーマル、熱心、厳粛)? コミュニティ内の他の教会についてどう話すか? 互いにどうコミュニケーションをとるか、または互いについてどんな表現をするか? 弟子訓練をどう進めるか? こういった疑問はすべて、あなたの教会の文化に関するもので、それにどう答えるかは重要です。
私たちが教会開拓という旅を始めた時、派遣教会の牧師が私と夫をある話し合いに招いてくれました。それは文化を確立する上でどう判断するかというプロセスについてでした。最初は、将来教会開拓する教会の文化について話していると思っていたのですが、要は教会開拓における私たちの結婚関係の文化について考えるように招かれていたことに、いい意味で驚きを覚えました。
そのような大切な会話をしていく中で、私たちは神様からの召命に従って共に歩む上での働きについて具体的な事柄について話し合いました。例えば夫婦として共にスタッフとして働くか、夫だけが働くかといった疑問について真剣に考えました。新来者が家族で現れたら、自宅に招いて夕食を共に過ごすか、夫がカフェで会うかといった具体的な方法についても話し合いました。
このような疑問は、神様が私たちを召されたこと、家族の必要、教会開拓の任務など、事前に考慮した上で、私たちが共に働く土台を築くことになりました。教会開拓を始める際、結婚の文化と教会開拓の文化の関係について具体的な疑問を投げかけてみてください。
4. あなたの夫を守る責任があるのは神様です。
教会開拓における私の霊的な生活で最も役立ったことの1つは、夫の心を主に委ねることでした。彼は私たちの教会開拓で唯一の牧師なので、難しい会話はどれも彼が対応すべきものでした。神学的な質問があれば、答えるのは彼の役目でした。教会を去った人を導くのも彼の役目でした。私たちの派遣教会から監督してくれる長老がいたものの、独自の長老が教会開拓において任命されるまで、多くの奉仕は彼の肩にかかっていました。私は彼が傷つかないように必死に守りたいと思いました。
でも私にはできませんでした。握りしめていた私の手を神様が解いてくださった時、神様こそ「常にあなたを守り、導いてきてくれた方」だと思い出させてくれました。そして、私はパウロの言葉を胸に刻みました(エペソ人への手紙6:10):「主にあって、その大能の力によって強められなさい。」(筆者による強調)。神様は聖霊の力によって、私の夫をあらゆる季節において力強く守り、支えてきてくださいました。
教会開拓は本当に特別な働きです。それは喜びに満ちた任務であり、真剣な召命です。「しかし、主は真実な方です。あなたがたを強くし、悪い者から守ってくださいます」(2テサロニケ3:3)。この聖なる働きに夫と共に取り組む妻たち、この真理にあって憩うことができますように。